SSブログ
縄文時代 ブログトップ

上北浦遺跡出土「岩版」速報展 巡回展のお知らせ [縄文時代]

 4~6月に発掘調査した上北浦遺跡の遺物が、以下の日程で熊谷市立図書館 郷土資料展示室と熊谷市立妻沼展示館に巡回展示されることになりました。10月頃、埼玉新聞と毎日新聞に掲載された「岩版」のほか、縄文時代後・晩期の耳飾・土偶・石棒・骨角器などが展示されています。この機会にぜひ御覧になっていただければと思います。
BF2C7276-2CD2-4A03-8756-3B37B15FB7FA.jpegC79657B5-02AF-49F2-B2DB-F8F8FE46B288.jpeg

○巡回日程

 ・熊谷市立図書館郷土資料展示室
 会期:令和4年1月11日(火)~2月13日(日)
 開館時間:午前9時~午後5時
 休館日:毎週月曜日、第1金曜日、祝日
 会場:熊谷市立図書館3F郷土資料展示室
    熊谷市桜木町2-33-2
    048-525-4551

 ・熊谷市立妻沼展示館
 会期:令和4年2月22日(火)~3月20日(日)
 開館時間:午前9時~午後5時
 休館日:毎週月曜日、祝日
 会場:熊谷市立妻沼展示館
    熊谷市妻沼東1-1
    048-588-2044


nice!(0)  コメント(0) 

上北浦遺跡から出土した呪術関連遺物2 [縄文時代]

 江波の上北浦遺跡では、前回紹介した岩版のほかに縄文時代の祈りやまじないなどの呪術儀礼に関連する遺物として耳飾り、土偶、骨角器が出土しました。
7BA94097-6BBD-4CB4-9745-A93FA91D38F4.jpeg
 耳飾りは、耳たぶに開けた穴にはめ込むもので、成長に伴って穴を大きくしながら耳飾りの直径も大きくしたと考えられます。写真上段のいちばん左のものは直径6.5㎝、下段のいちばん左のものは直径2.7㎝です。使用する粘土や施す文様によって精製のものと粗製のものがありますが、精製品の中には良質な粘土を使い、先端の尖った鋭利な刃物のような工具で文様を刻み込み、赤色の顔料を塗ったものがあります。精巧な文様からは、装身具であるのと同時に、呪術的な意味合いも感じられます。
 土偶の出土数は少なく写真下段の2点のみで、左は右腕部、右右脚部と思われます。
 動物の骨格の小片は多数出土しましたが、これを加工した骨角器は1点のみでした。写真の骨角器は鹿の角を加工したもので、装飾品と思われますが、使用方法は不明です。


nice!(0)  コメント(0) 

上北浦遺跡出土「岩版」 [縄文時代]

 4月~6月にかけて発掘調査を実施した、市内江波地内に所在する上北浦遺跡より、縄文時代晩期の岩版が出土しました。
602D09D7-E563-40B1-A358-B067B6D35BE5.jpeg8D462FEA-8F8B-4BE7-8782-E29D4B9D6F1A.jpeg
     岩版 表面                 岩版 裏面
 岩版とは泥岩などの軟らかい石材に文様を彫り込んだ遺物で、縄文時代晩期に東北地方から関東地方を中心に出土しています。護符(お守り)として使用されたと考えられています。
 上北浦遺跡の岩版は凝灰質泥岩製で、全体の3分の1ほどを欠損していものの、長さ19.2㎝(復元長約20㎝)、幅13.8㎝(復元幅約14㎝)、厚さ3.2㎝の大きさで、これは埼玉県内で出土した最大の岩版です。多くの岩版が見つかっている群馬県や栃木県と比較しても、最大の部類に入ります。
 大きさとともに、彫り込まれた文様の全体像も復元できます。大きな特徴は、左右に一対の小さな孔、縦長の二等辺三角形の頂点を向かい合わせたI字文、そして裏面に施された一対の渦巻文です。

nice!(0)  コメント(0) 
縄文時代 ブログトップ