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寺内廃寺の遺物整理から―6 「千年の和釘―3」 [整理作業]

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 寺内廃寺から出土した鉄釘は、発掘時点で約600点、総重量35kgありました。復元薬師寺回廊では30tの釘が使われたとされ、寺院建築に多量の釘が使われたことが想像されます。釘の使用にあたっては釘と当たる木材の部分から不朽が始まるので、多湿な日本では鉄地に漆を塗るなどの防腐処置をしています。それでも使用数は少なめにしたほうが建物にとっては良い状態が保たれたと思います。
 寺内廃寺で出土した釘は、完全な例から1寸(約2.7~3.0cm)を基準にして2寸、3寸、4寸、5寸、8寸とほぼ5種に区分できるようです。
 8寸の大型釘は、縦柱と横貫又は梁を留めるために使用された特別な釘で「頭貫」とされる例と考えられます。金堂の柱と梁を留めるには28本以上の頭貫の釘が必要です。
 4寸~5寸の釘は、出土数が最も多く、屋根を支える垂木を留めるために使用されたと考えられます。
 2~3寸の小型釘は、建物での使用も除外できませんが、他の器物での使用が主体ではなかったかとも思います。
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