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「里帰り!西別府廃寺採取「古瓦」展」2 [展示]

 今回は、先日お知らせしました、この展示のトピックについてお話します。
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 軒丸瓦のうち鏃状蓮弁6葉軒丸瓦は、実は熊谷市の発掘調査では確認されていない、唯一の資料であり、大変貴重なものです。瓦当面の直径が20㎝ほどで、西別府廃寺の他の軒丸瓦が仏教との関連で良く使われる蓮をモチーフとしたものばかりの中、特異な印象を受けます。中央の中房を十字の線で区画し、各々の区画内には各1つの蓮子(れんじ)が配されています。そして、中房からは放射状に鏃状の蓮弁が6枚配され、その各々の間にも先端が小さな鏃状のものが配されています。
 この軒丸瓦は、当時の武蔵国の中心にあった国府(現在の東京都府中市)に隣接して造営された国分僧寺・尼寺(現在の国分寺市)のうち、国分僧寺や周辺地区・周辺遺跡で出土しています。このことは、西別府廃寺と国との関係が濃いものであったことを証明するともいえるでしょう。ちなみに、武蔵国府と西別府廃寺があった幡羅(はら)郡・郡家(ぐうけ、郡役所)は、国分僧寺と尼寺の間にあった、国府から群馬県(上野国)をつなぐ道である東山道武蔵路(とうさんどうむさしみち)を通じてつながっています。
 必見資料ですので、この機会に是非ご覧ください。
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