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寺内廃寺の遺物整理から―2 音で飾る軒先の風鐸 [整理作業]

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図1 寺内廃寺出土風鐸鈕部分2個分 図2 上総国分寺跡出土風鐸復元図
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風鐸のイメージ (復元された平城京朱雀門軒先)

 寺内廃寺の金堂西側は、礎石を覆う瓦礫がよく残ることから火災時に西側に倒壊したと考えています。多量の火災残滓には、建築材の炭化物・焼土化した壁土・瓦・瓦塔片・釘等の金属類を含む多量の遺物が見つかりました。図1の鉄製品は(約5㎝)は分厚い逆U字形をしており、同様な遺物の類例からすると風鐸の鈕(釣手部分)と考えられます。図2は市原市上総国分寺跡から出土した青銅製の風鐸(全高約38㎝)で、上部の逆U字型部分が同形をしています。多くの風鐸に共通する形のようで、島根県来美廃寺、大阪府海会寺跡、奈良県飛鳥寺、奈良県大安寺 兵庫県但馬国分寺跡などでも見つかっています。埼玉県では日高市の高岡廃寺と本庄市の山寺廃寺から破片などが見つかっています。
 風鐸の発する音は障魔を遠ざけるとされ、清浄を保つ機能がありました。寺内廃寺ではどのような音色を奏でていたのでしようか。
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