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権田愛三『実験 麦作栽培改良法』 [近代]

権田愛三が大正12年に著した『実験 麦作栽培改良法』を紹介します。
この本は、権田愛三が自費出版したもので、数千部を全国に無償配布しました。
内容は、愛三が研究した麦作法の紹介で、良い麦を作るには、
・選別した良い種子を適期に広幅で薄く蒔く
・麦の生育初期~育成中期にかけ、5~6回土入れを行う
・良質の完熟たい肥を十分に施し、化学肥料を補充的に施用する
・本葉出た時、土入れの度に麦踏みを行う
等が指摘されています。
また、序には、「(前略)皆さんには文章を御覧になるのでなく真に行い方を御覧になる御つもりで読んでいただきたいのであります。
(中略)見るかげも無き卑著が皆さんに幾分たりとも資すところがありますれば不肖の幸之より甚だしいことはありません。」と記され、
注意として、
①書中不明の箇所は直接著者に宛て御質問をねがいます。著者は何時たりとも確答を與へます。
②百聞は一見に如かずと申す諺のとおり、書中に於て万善を期すつもりでありましても実際真味といふところはとても文字に顕わせるものではありません。故に皆さんに差支いありませんでしたなれば、私の所まで御足労をねがいます。私は何時たりとも実地につきまして説明の労を取ります。
と記されており、愛三の、麦作にかける情熱と人柄が伝わる文章となっています。
この本は、熊谷図書館に所蔵されていますので、閲覧のみ可となっていますが、興味のある方はご覧ください。
麦作栽培改良法3-1.jpg
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