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寺内廃寺の遺物整理から―5 「千年の和釘―2」 [整理作業]

 八寸釘と思われる24㎝大の大型釘には、以下の三種の形態が確認されています。
①は飛鳥型―頭部が四角錐形をした、がっちりとした造りで銹の浸潤が少ない。②は白鳳・天平型―ほぼ四角形の鋲頭を造り出す。
③平安型―やや細めで折り返した鋲頭を造りだす。
 他の中小型の釘は③平安型が主体であることから、釘の様相や瓦様式の年代ともほぼ同時期と考えられ、寺内廃寺の建築物の完成は九世紀前半代として矛盾はないようです。
 各時期の釘が使われている背景は、保存されてきた①②期の釘を使用したと考えるか、又は従前建物から取り出した釘を再利用したとも考えられます。なお、焼け残る金属類は、火災後の取り方け付でほとんど採取され再利用されることが多いため、銹釘とはいえ貴重な資料にです。
① 型 image011s2.png
② 型 image011s3.png
③ 型 image011s1.png

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