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きかは便郵137 [きかは便郵]

昔の熊谷地域の絵葉書紹介136回目。今回は「株式会社熊谷電気館」です。
この写真は、大正15年から昭和8年の間に撮影された、熊谷町大露路の星川沿いに所在した「熊谷電気館」の建物です。
「電気館」とは、家電販売店ではなく、映画館の名称として使用されていました。日本最初の映画館は、明治36年に、浅草六区に「浅草電気館」として設立され、その後これに倣って日本全国に多数の「電気館」ができました。
「熊谷電気館」は、明治30年に設立された劇団「梅盛座」が、時勢の推移により映画が上映されるようになると廃業し、大正8年に「電気館」と改め、映画専門館として営業を開始したものです。当初の建物は、大正14年5月13日に熊谷大火で焼失し、翌年に写真の建物に再建されました。
再建された建物は、大正ロマンを感じさせる3階建ての建物で、建物前には「熊谷電気館」ののぼり旗や、「特別上映鞍馬天狗大会」の立て看板が立てられています。建物入り口の上には、「熊谷電気館」の文字をウサギが持つ看板が設置されています。青海波紋が背景に描かれており、因幡の白ウサギをモチーフとしていると思われます。
建物前の砂利敷きの道路には、鞍馬天狗を見たいのか、「熊谷電気館」を見つめる子どもが写っています。
前回紹介した「熊谷座」とともに、芝居小屋から映画館へと推移した、当時の熊谷の様子を伝える貴重な写真です。
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