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きかは便郵138 [きかは便郵]

昔の熊谷地域の絵葉書紹介138回目。今回は「織物品評会会期中の熊谷町光景」です。
この写真は、前回紹介した大正10年(1921)10月に、市内末広の埼玉県工業試験場と玉井の埼玉県原蚕種製造所の2会場で開催された、全国特産織物品評会会期中の熊谷町中山道の光景を写したものです。
雨上がりに撮影されたもので、傘を手に通りを歩く男性の後ろ姿が写っています。通りの両側には、電柱の間に四本ずつ、紅白の布が巻き付けられた角柱が立てられ、日章旗が掲げられています。左側の電柱には、「冨士森足袋店はこちら」「谷田時計楽器店」(明治43年創業:現・株式会社谷田楽器店)の看板が取り付けられています。
右側手前の商店は絵葉書や写真帳、文房具類を扱っていた小坂藤華堂で、「■■■■ 並ニ印刷エハカキ額縁各種文房具類」「山崎外科医院皮膚病花■病」「藤華堂」の看板が掲げられています。その奥の商店は自転車店と思われ、「二ヶ年間保証書付パ■■ン自転車」の看板が掲げられています。
これは、明治39年(1906)に、鉄砲鍛冶から自転車製造に変遷した日本最古の自転車メーカー宮田製作所(現・ミヤタサイクル株式会社)が、安価なアメリカ製自転車の流入に対抗して販売した、国産のパーソン号自転車の看板と思われます。
ちなみにこの自転車の保証書には「右ハ弊所ノ製品ニシテ其材料ノ精選サレタルハ勿論欧米最新式ノ完全ナル自動製作穖ニ依リ老練ナル技手ノ手ニ製出セラレタルモノナリ弊所ハ此自転車ノ破損ニ對シテハ本日ヨリ起算向フ貮ヶ年間絶對ノ責任ヲ以テ保証仕候也」と記載されていました。
先月号で紹介した緑門とともに、織物品評会開催中の来場者を歓迎する蚕都熊谷の、シティドレッシングの様子を伝える写真です。
ymy-307-000-001.jpg

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