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きかは便郵129 [きかは便郵]

昔の熊谷地域の絵葉書紹介129回目。今回は「埼玉県立熊谷高等女学校」です。
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この写真は、熊谷高等女学校での生徒活動の様子を写したもので、右上の写真は「點茶」と印字されています。
先生が床の間の前に座り、和服を着て髪を結った六人の生徒が向かい合い、右側の生徒が、風炉で沸かした茶釜の湯を、茶勺で茶碗に注いでいます。
床の間には花瓶に花が活けられ、大きな掛け軸が二幅掛けられています。
この掛け軸は、中国南宋の軍人で政治家の文天祥(1236-1283)の漢詩で、「孝敬父如天敬母如地汝之子孫亦復如是」意は、父は天のようで、母は大地のように尊いものだ、あなたの子孫もまたその繰り返しなのだから同じように尊ぶべきである。
「忠上事於君下交於友内外一誠終能長久」意は、「君主の為を思って忠勤に励み、友人と誠意を持って付き合うように、皇帝・延臣と庶民とが誠実に生きていければ、国家は長く平和でいられるだろう。」であり、儒教的な内容となっています。
左下の写真は、「作業」と印字されています。モンペを着た20人程の女学生が、鍬を持ち、校舎脇の畑を耕しています。
大正末から昭和初期の、忠・孝を重んじ茶道をたしなみ、勤労作業も行う、当時の女学生の様子を伝える写真です。
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