SSブログ

上北浦遺跡から出土した呪術関連遺物2 [縄文時代]

 江波の上北浦遺跡では、前回紹介した岩版のほかに縄文時代の祈りやまじないなどの呪術儀礼に関連する遺物として耳飾り、土偶、骨角器が出土しました。
7BA94097-6BBD-4CB4-9745-A93FA91D38F4.jpeg
 耳飾りは、耳たぶに開けた穴にはめ込むもので、成長に伴って穴を大きくしながら耳飾りの直径も大きくしたと考えられます。写真上段のいちばん左のものは直径6.5㎝、下段のいちばん左のものは直径2.7㎝です。使用する粘土や施す文様によって精製のものと粗製のものがありますが、精製品の中には良質な粘土を使い、先端の尖った鋭利な刃物のような工具で文様を刻み込み、赤色の顔料を塗ったものがあります。精巧な文様からは、装身具であるのと同時に、呪術的な意味合いも感じられます。
 土偶の出土数は少なく写真下段の2点のみで、左は右腕部、右右脚部と思われます。
 動物の骨格の小片は多数出土しましたが、これを加工した骨角器は1点のみでした。写真の骨角器は鹿の角を加工したもので、装飾品と思われますが、使用方法は不明です。


nice!(0)  コメント(0)