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池上遺跡現地見学会に行ってきました。 [発掘調査]

 去る3月21日(土曜日)に池上の地で行われた池上遺跡発掘調査現見学会が行われました。当センター主催の事業ですが、一般参加者の目線で報告します。
 発掘地点は国道17号バイパスと125号の南東側に広がっています。現地では誘導員の指示で駐車場へ入り、コロナ対策の消毒・検温・受付を受け、待ち時間はパンフに目を通したり出土遺物を見学できるなどの配慮された案内がなされていました。
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写真1 発掘調査地区を説明する担当者の方

 予定の時間にとなり、遺跡概要の説明後(写真1)、発掘地点まで数分歩き、水田下に現れた古代遺跡と対面です。発掘地用で確認された知見は多大ですが、特に興味を引いた3件を紹介します。
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写真2 小溝と方形周溝墓の堀が巡る古墳時代の建物跡

 写真2は古墳時代の竪穴建物跡―これは主として居住用の遺構で住居跡とも呼ばれます―建物跡を巡り小溝が掘られさらに大きな溝(堀)が方形に取り囲んでいます。小溝は排水や除湿用に、方形の堀は建物廃絶後に造られた方形周溝墓の跡のようです。
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写真3 弥生時代の建物跡から出現した壺形土器 底に穴があけられていた。

 写真3は弥生時代中~後期の建物跡から壺形土器などが出土していました。リアルに完全な形の土器がそこに置かれたようにあるのは感動的です。
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写真4 堀立柱建物跡 右隅の柱穴には柱材が残っていた。

 写真4は平安時代の建物跡とされ、柱を掘り据えた大きな穴が規則的に並んでおり、倉庫的な建物が2棟分のようですが、まだ増えそうです。文字の書かれた土器が多く発見されたことから役所的な性格も持っていたのでしょう。池上の地からは弥生時代中期から古墳時代前期、奈良・平安時代とメインになる時期の先人たちの足跡が明らかになりつつあるようです。
 なお、当時の見学会資料はこちらです。「池上遺跡 令和4年3月12日(土) 現地見学会」(PDF:3.29MB)
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