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上北浦遺跡出土「岩版」 [縄文時代]

 4月~6月にかけて発掘調査を実施した、市内江波地内に所在する上北浦遺跡より、縄文時代晩期の岩版が出土しました。
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     岩版 表面                 岩版 裏面
 岩版とは泥岩などの軟らかい石材に文様を彫り込んだ遺物で、縄文時代晩期に東北地方から関東地方を中心に出土しています。護符(お守り)として使用されたと考えられています。
 上北浦遺跡の岩版は凝灰質泥岩製で、全体の3分の1ほどを欠損していものの、長さ19.2㎝(復元長約20㎝)、幅13.8㎝(復元幅約14㎝)、厚さ3.2㎝の大きさで、これは埼玉県内で出土した最大の岩版です。多くの岩版が見つかっている群馬県や栃木県と比較しても、最大の部類に入ります。
 大きさとともに、彫り込まれた文様の全体像も復元できます。大きな特徴は、左右に一対の小さな孔、縦長の二等辺三角形の頂点を向かい合わせたI字文、そして裏面に施された一対の渦巻文です。

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