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きかは便郵119 [きかは便郵]

昔の熊谷地域の絵葉書紹介119回目。今回は「武蔵聖天山節分会夜景」です。
武州妻沼聖天山節分會夜景.jpg
歓喜院の本殿と思われる室内奥の間中央に院主が座し、手前の部屋には、かみしもを着た4人の男性が豆をまく姿が写されています。
現在でも歓喜院では、毎年2月3日の11時・15時・19時に節分の豆まきが行われており、この写真は夜の部を写したものと推測されます。
壁面に飾られた紅白幕には明治35年の文字が記されており、右上には大きな奉納額が掲げられています。
この額は、明治20年3月に幡羅郡小島村の野村権三郎氏の奉納よるもので、歓喜院境内の鳥瞰図(聖天堂拝殿、鐘楼、天水桶、灯籠、狛犬、太子堂)が描かれています。額縁には、上州花輪村(現・群馬県みどり市)尾崎の、高澤仐之輔による昇り龍などの見事な彫刻が施されています。高澤仐之輔は、石原系の流れをくむ彫物師で、明治15年に群馬県世良田の祇園屋台を修理しています。
写真13歓喜院奉納額.PNG奉納額「歓喜天 聖天堂参拝」
この絵葉書の作成年代は、宛名面通信文記載範囲が1/3になっていることから、明治40年以降で、通信文記載範囲が1/2に変更した大正7年以前に製作されたものと考えられます。

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