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池上遺跡発掘調査について(道の駅整備事業)その7 [発掘調査]

 池上遺跡からは、古墳時代前期の周溝持竪穴建物跡が発見されています。
周溝持竪穴建物とは、周溝持遺構や周溝持建物跡と呼ばれることもあり、建物の周囲に排水溝を掘ったものです。このような遺構は、低湿地遺跡に多く発見され、方形周溝墓の一種と考えられてきましたが、近年の研究で建物跡の可能性が出てきました。今回の池上遺跡では、7棟確認されています。中には、周溝持竪穴建物跡の廃棄後、そのまま方形周溝墓に改築した遺構も確認されました。この方形周溝墓の溝から底部穿孔の壺や形状がわかる土器が出土し、本来方形周溝墓の方台部に供献されていたものと考えられます。
 なお、令和4年3月12日(土)の池上遺跡現地見学会では、これも見学してもらう予定となっています。

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外周の太い溝は方形周溝墓、内側の部分は周溝持竪穴建物跡
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方形周溝墓の溝から出土した底部穿孔の壺


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